【DIY講座】1級左官技能士が伝授!正しいモルタルの作り方!

こんにちは、タカヒロ(@sugarsalt123)です。
今回はいつものジャンルを脱線してDIY講座をしてみよう、ということで1級左官技能士の資格を持っている私がモルタルの正しい作り方を伝授します。
モルタルといえば、レンガやコンクリートブロックの施工など、DIYでは欠かせない材料ですよねー。
作り方を間違えてしまうと、のちのち「ヒビ割れした・・・」や「すぐ剥がれた・・・」など施工不良になってしまいます。

・DIYでよく使うモルタルの作り方を知りたい
・作るときの注意点を知りたい
今回はこのような悩みや疑問をお持ちの方にオススメの記事です。
本記事では、モルタル作りに必要な材料や工具から、作り方、ワンポイントアドバイスをお伝えします。
最後まで読んで、ぜひモルタルの作り方を覚えてくださいね♪
モルタルとは
「モルタルってなに?セメントやコンクリートと同じ?」と思う方も多いでしょう。
左官辞典ではモルタルをこう説明しています。
広くは細粒の骨材と結合硬化材を練り混ぜたもの。結合材料によって、セメントと砂→セメントモルタル、石灰と砂→石灰モルタル、プラスターと砂→プラスターモルタルのように呼び名がつく。モルタルは臼、乳鉢の意味があり、すりつぶして用いるもの。これから転じて、結合材と骨材をよく混合し水で練り合わせたものを指す。
引用元:左官辞典
よく分からないですよね。
簡単に説明すると、細粒の骨材=砂、結合硬化剤=セメントで、これを混ぜ合わせたものがモルタルと一般的に呼ばれています。
上記には石灰モルタルやらプラスターモルタルなど、他にも種類がありますが、DIYではセメントモルタルを使うと覚えましょう。
よく左官屋さんの間では、モルタルなどの材料練りや材料配りを「手もと」といい、手もとだけで3年の修行が必要だと言われています。
DIYモルタル作りに必要な材料と工具
- セメント
- 砂
- 左官舟or一輪車(深型)
- 手鍬(てぐわ)
- スコップ(角型)
- バケツ
- 水ひしゃく
- 左官ブラシ
■セメント・砂
セメントはホームセンターで売られている一般的なセメント「ポルトランドセメント」を購入しましょう。
値段は1袋350円〜400円くらい売られています。
砂もホームセンターで買えるので、セメントの約3倍の量を購入するといいでしょう。
トラックで1台など、たくさん欲しいときは建材屋さんに頼むと運んでもらえますよ。

■左官舟or一輪車(深型)
左官舟とは箱型の長方形の容器で園芸にもよく使われています。
一輪車には浅型と深型があり、モルタルを練るときは深型がオススメです。
左官では一輪車のことを猫車の略で「ネコ」と呼んだりします。
今回、モルタルはこのどちらかで作ることになります。
■手鍬(てぐわ)・スコップ(角型)
手鍬は材料を練るだけではなく、材料を取るときにも使われます。
柄の長さも長いものから短いものまであり、練る際は長めの方がオススメです。
スコップには角型と先の尖った剣型ありますが、今回は角型のスコップを用意しましょう。
■バケツ・水ひしゃく・左官ブラシ
バケツと水ひしゃくは100均でも購入できます。
左官ブラシは道具の清掃に使います。
ホームセンターの左官コーナーに置いていると思いますが、ない場合は洗車ブラシでも代用できるでしょう。
DIYでできる!モルタルの作り方
それでは、さっそくモルタルの作り方を説明します。
材料を作る前に施工するブロックやレンガを並べる段取りを済ませて、すぐ使える状態にしておきましょう。
そして、モルタルは服につくと落ちにくいので、汚れてもいい服を着用します。
まずはセメントと砂の配合からです。
セメントと砂の配合
基本的にモルタルの配合はセメント1に対して、砂3の「3:1」の比率になります。
セメントが多いとヒビ割れ(クラック)が入りやすくなる一方、砂が多すぎると作業が捗りにくくなります。
施工箇所によって配合は変わり、モルタルを土間(地面、床)に使うときはセメントが少ない方がクラックが入りにくくなります。
「正直、3:1といわれても計るのも面倒くさいし、目安とかないの?」
という方にモルタルを配合する目安のコツがあります。
角スコップ(中盛)5杯にセメント半袋を目安にし、あとは砂を足して微調整する方法です。
いちいち計らなくても簡単に配合できるので試してみてくださいね!
セメントと砂をカラ練りする
配合したらすぐ水を入れてはいけません。
まず、はじめに水を入れない状態で混ぜてください。
なぜ、すぐ水を入れていけないかというとカラ練り前に入れてしまうとセメントが固まって玉状になるからです。
手鍬(てぐわ)を使って手前に向かって混ぜ合わせて寄せてきます。
全部手前にきたら、反対側に移動して、また混ぜ合わせて寄せます。
これをよく混ざるまで繰り返しましょう。
初心者の方は手鍬が使い慣れない場合、角スコップで混ぜ合わせてもOKです。
しかし、慣れれば圧倒的に手鍬で混ぜた方が速く、よく混ざります。
水を入れて練り合わせる
カラ練りが終わったら、次に水を入れて練り合わせます。
水の量は水ひしゃくで約4杯〜6杯で、使うひしゃくの容量で若干変わります。
練上がりは硬すぎず柔らかすぎず、作業にしやすい硬さに調整。
そして、底に練り残しがないようにしっかり練りましょう。
カラ練りが不十分な場合は底に砂が残り、ムラになるので施工不良の原因になります。
ワンポイントアドバイス
夏と冬の注意点
夏場にモルタルを使う場合は硬化がとても早いので、モルタル土間を施工する場所を水で濡らしたり(水蒸し)、モルタル用接着剤を塗布しておくといいでしょう。
そして、練り合わせてから時間が経つと、どうしてもモルタルが硬くなります。
一度や二度であれば水を追加して硬さを調整できますが、何回も練り直したり、長時間経過するとモルタルが硬化不良を起こします。
ひび割れや剥離の原因になりますので、早めに使いましょう。
そして、冬場の場合は気温が氷点下のときは初心者の方は施工しないほうがいいでしょう。
なぜなら、氷点下ではモルタルが凍害(モルタル凍る)を起こす可能性が高いからです。
凍害を起こすと硬化せずモルタルが膨れてサクサクとなります。
どうしても冬場に使うときは防凍剤・防凍液を混合するといいでしょう。
砂の種類でも配合を変える
左官で使う砂には山砂と川砂があります。
川砂は粒が粗く、山砂は粒が細かいのが特徴です。
ホームセンターで袋で売っているのは川砂ですが、川砂の場合は通常の配合ではセメントが少なく感じるので、少しセメントの量を追加しましょう。
「セメントを多く使うなら山砂が良いのかな?」と思いますよね。
しかし、川砂にもメリットがあります。
川砂は粗いぶんクラックが入りにくく、強度が高いのです。
一方、山砂のメリットは粒が細かいので作業性が高いことが挙げられます。
モルタルをたくさん使う場合はモルタルミキサーを使ってみよう!
少量であれば一輪車で練ってもいいのですが、量を使う場合にはモルタルミキサーという混ぜ合わせる機械があります。
練り方は同じで、砂とセメントをいれてカラ合わせ(水なし)を十分にしたら水を入れるだけです。
混ぜ合わせ中は手を中に入れたり、巻き込まれる恐れのあるタオル等は着用しないように気をつけましょう。
最近ではホームセンターでレンタルで貸し出しているところも多いですね。
まとめ
- モルタル作りで仕上がりと作業効率が決まる
- 良い配合のモルタルを作れば強度も強くなり、楽しくDIYができる
以上がまとめになります。
モルタルなど左官材料は季節や天候、湿度、日当たりだけでも大きく変化するものです。
勘どころと呼ばれ、感覚でコツを覚えるむずかしい作業も多いのですが、本記事で読んで楽しくDIYをやっていただけたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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